第67章 無限列車<弐>
「あの人が炎柱?」
「うん」
「ただの食いしん坊じゃなくて?」
「・・・うん」
善逸は思わず炭治郎に聞き返すと、炭治郎も唖然としながら返事をした。その間にも煉獄は「うまい!」を連呼しながら弁当を食し続けている。
そんな彼に、炭治郎はおずおずと声をかけた。
「あの・・・すみません」
「うまい!」
「れ、煉獄さん・・・」
しかし炭治郎の声が聞こえないのか、煉獄は相も変わらず弁当に夢中になっている。
「あ、もうそれは、すごくわかりました」
炭治郎はそう言うが、煉獄の箸は止まらずまた一つ、空の弁当箱が増えていく。しびれを切らした汐は、炭治郎を押しのけると煉獄の前に立った。