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【鬼滅の刃】ウタカタノ花

第58章 兆し<弐>


「善逸!伊之助!」

汐が思わず名を呼ぶと、二人はびくりと肩を震わせ目を逸らす。が、そばにしのぶの姿を見つけると、人が変わったように背筋を伸ばした。

(あーはいはい。二人がいつも通りで安心しましたよっと)

汐が心の中で悪態をつくと、しのぶはすっと二人に近づき座らせてから話し出した。

「おはようございます。訓練を行う前に、汐さんと炭治郎君が会得しようとしている【全集中・常中】について教えましょう。全集中の呼吸を四六時中やり続けることにより基礎体力が飛躍的に上がります」

しのぶの説明に善逸と伊之助は微妙な表情で顔を見合わせた。そんな彼らにしのぶは微笑み、やってみるように促す。
しかし二人にとってもそれはかなりきつかったらしく、数秒後には床に倒れこみ、善逸に至っては「無理ィィィイ!!」と泣きごとを言い出す始末。

そんな二人に炭治郎は励ましながらも、何とかコツを教えようとはするが、教え方が壊滅的に下手な彼の説明はもはや人の言語をほとんどなしていなかった。

呆れかえる汐と、人外の生き物を見るような表情をする善逸と伊之助。そんな彼らを見かねたのか、しのぶは炭治郎の背後から彼に触れながら近づいた。

顔を微かに赤らめる炭治郎をみて、汐は思いっきり顔を引き攣らせる。そんな汐の音を聞いた善逸の顔が青ざめた。
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