第55章 迷走<参>
「はあ!?あたしがいつ一方的に怒鳴りつけたのよ!?自分の憶測だけで適当なことを言わないでよドサンピン!」
「適当なことを言っているのはお前だろ!?前から思っていたけれど、その悪い言葉遣いをいい加減に何とかしろ!聞いていて恥ずかしいんだ!!」
「あー、はいはい!あたしはどうせ恥ずかしい女よ!だから珠世さんやしのぶさんみないな綺麗な女の人にデレデレしてたのね!」
「なんでそこで珠世さんやしのぶさんの名前が出てくるんだよ!?お前本当に意味が分からない!!」
二人の言い争う声は屋敷中に響き渡り、様子を見に来た三人娘や何事かとこっそり様子を見に来た善逸は顔を青くさせながらそれを見ていた。
「もういい!あんたの顔なんか見たくない!」
「俺もだ!お前がここまでわがままな奴だとは思わなかったよ!」
「「フンッ!!!」」
二人は互いにそっぽを向くと、炭治郎は訓練場へ、汐は自室へとそれぞれ戻っていく。隠れて様子を見ていた三人娘たちは、青ざめた顔で二人を見つめていた。
そして翌日。とうとう汐までが訓練場に来なくなってしまい、アオイは激怒していた。しかも、そのせいか定かではないが炭治郎の動きも機能に比べて明らかに悪くなっていた。