第54章 迷走<弐>
それから炭治郎と汐は、訓練に参加しつつ己を鍛えなおし始めた。
走り込み、息止め、そして二人での組手。やっていることは、かつて二人が修行を積んだあの時以来だ。
もちろんすぐに成果が出るわけでもなかったが、二人はあきらめなかった。頑張るしかできない炭治郎と、負けることが大嫌いな汐。
そんな二人をみて、三人娘は微笑みながら顔を見合わせた。
「炭治郎さんと汐さん、毎日頑張ってるね」
「うん。二人はとっても仲良しだもんね」
「おにぎり持って行ってあげようよ。あと瓢箪も」
三人は顔を見合わせると、必要なものを取りに屋敷へと戻っていくのであった。