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【鬼滅の刃】ウタカタノ花

第51章 ワダツミの子<参>


「しかし、鬼共は今ものうのうと人を食い、力をつけ生き永らえている。死んでいった者たちのためにも、我々がやることは一つ。今、ここにいる柱は戦国の時代、【始まりの呼吸の剣士】以来の精鋭達がそろっていると私は思っている。そしてなにより、この時代にワダツミの子が現れた」

耀哉の口から出た言葉に、全員の方が微かに跳ねた。

「ワダツミの子。大海原汐さんの事ですね。彼女の不思議な力は私も一度体験しましたが、確かにあれは人知を超えたものでした。これが鬼と戦う大きな力になることは確実ですが・・・まずは人としての最低限の教育も必要かと思います」

「だが!あの少女の歌は見事なものだった!!!まるで魂を揺さぶられるようだった!ぜひともまた聴いてみたい!!」

「でも、私疑問に思っていたんですけれど、私やしのぶちゃん、宇随さんや悲鳴嶼さんはあの子が女の子だってわかったのに、どうして不死川さんたちは男の子だって思っていたんですか?」

甘露寺の何気ない質問に、汐を男だと思っていた者たちは怪訝そうな顔をした。

「うむ!何故かはわからん!だが、女だと分かった後は何故か女にしか見えなくなった!」

「どこからどう見ても男にしか見えなかった。それだけだ」
「・・・・」


皆何故汐が男に見えたのかはっきりとは答えられず、なんとも微妙な空気が辺りに流れる。

そんな空気を打ち破るように、耀哉の静かな声が響いた。
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