第51章 ワダツミの子<参>
「人が増えれば増える程、制御統一は難しくなっていくものです。今は随分、時代も様変わりしていますし」
「愛する者を惨殺され入隊した者、代々鬼狩りをしている優れた血統の者以外に、それらの者たちと並ぶ、もしくはそれ以上の覚悟と気迫で結果を出すことを求めるのは残酷だ」
岩柱悲鳴嶼行冥は、涙をこぼしながら呟くように言った。
「それにしてもあの少年たちは、入隊後まもなく十二鬼月と遭遇しているとは!引く力が強いように感じる!なかなか相まみえる機会がない我らからしても、うらやましいことだ!」
炎柱煉獄杏寿郎は、右手で拳を作りながら心なしか嬉しそうに言った。
「そうだね。しかし、これだけ下弦の伍が大きく動いたということは、那田蜘蛛山近辺に無惨はいないのだろうね。浅草もそうだが、隠したいものがあると無惨は騒ぎを起こして巧妙に私達の目を逸らすから。なんとも、もどかしいね」
耀哉は顔を伏せていったん言葉を切ると、再び柱達を見回しながら言った。