第51章 ワダツミの子<参>
一方その頃。
日が落ちた産屋敷邸では、彼と柱による柱合会議が行われていた。
ぼんぼりの光が揺らめく中、耀哉が口を開く。
「皆の報告にあるように、鬼の被害はこれまで以上に増えている。人々の暮らしがかつてなく脅かされつつあるということだね。鬼殺隊員も増やさなければならないが・・・。皆の意見を」
その言葉に最初に口を開いたのは、全身に無数の傷跡を付けた風柱、不死川実弥だった。
「今回の那田蜘蛛山ではっきりした。隊士の質が信じられない程落ちている。ほとんど使えない。まず育手の目が節穴だ。使える奴か使えない奴かわかりそうなもんだろう」
そんな不死川を見て、派手ないでたちの音柱、宇随天元は思い出したように言った。
「昼間のガキどもはなかなか使えそうだがな。特にあの騒音娘!女の身でありながら不死川に一撃入れるとは、大した度胸だ」
宇随がからかうように言うと、不死川は小さく舌打ちをしながら目をそらした。自分よりも下の、しかも女に殴られたという事実が彼の心に微かな傷をつけてしまっていた。
そんな雰囲気を変えるがごとく、蟲柱胡蝶しのぶが口をはさむ。