第47章 柱合裁判<参>
「禰豆子が二年以上もの間人を喰わずにいるという事実があり、禰豆子のために四人の者の命が懸けられている。これを否定するためには、否定する側もそれ以上のものを差し出さなければならない」
不死川は反論する言葉さえもなく、ただ悔しそうに唇を噛み、煉獄も小さくうなる。そしてさらに耀哉はつづけた。
「それに、この炭治郎と汐は鬼舞辻と遭遇している」
その言葉に、今度は柱全員の表情が驚愕のものへと一変した。
「そんなまさか!柱ですら誰も接触したことがないというのに、こいつらが!?」
宇随は甘露寺を突き飛ばし、横たわる二人に向かって声を荒げた。
「どんな姿だった!?能力は!?場所は何処だ!?」
「戦ったの?」
今まで無関心だった時透さえ、二人に問いを投げかける。
「鬼舞辻は何をしていた!?根城を突き止めたのか!?おい、答えろ!!」
不死川は炭治郎の髪の毛を掴んで振り回し、伊黒は汐の猿轡を強く引き答えるように促す。だが、炭治郎はともかく口を塞がれている汐は答えようにも答えられない。
そのようなことが分からなくなっているほど、柱たちは混乱していた。
段々と騒ぎが大きくなり、収集が付かなくなりそうになっていた時。耀哉は人差し指を唇に押し当てた。
その瞬間、先ほどまでの騒ぎが嘘のように静まり返った。