第46章 柱合会議<弐>
「裁判を始める前に、二人が犯した罪の説明をさせて「裁判の必要などないだろう!!」
大きく、よく通る声がしのぶの言葉を遮った。しのぶが顔を向けると、【炎柱・煉獄杏寿郎】が凛とした佇まいで言い放った。
「鬼を庇うなど、明らかな隊律違反!我らのみで対処可能!鬼もろとも斬首する!!」
「ならば俺が派手に頸を斬ってやろう。誰よりも派手な血飛沫を見せてやるぜ。もう派手派手だ」
煉獄の言葉に【音柱・宇随天元】は、派手に装飾された額当てを押し上げながら答えた。
(えぇぇ・・・、こんなかわいい子達を殺してしまうなんて・・・胸が痛むわ。苦しいわ)
【恋柱・甘露寺蜜璃】は微かに頬を染めつつも、悲しげな眼で二人を見つめていた。
「ああ・・・なんというみすぼらしい子供達だ。可哀想に。生まれてきたこと自体が可哀想だ」
【岩柱・悲鳴嶼行冥】は数珠をかきならし、涙を流しながら言葉を紡いだ。
一方【霞柱・時透無一郎】は、二人に興味を示さず(なんだっけあの雲の形、なんていうんだっけ)と、ただぼんやりと空を眺めていた。
炭治郎は頭を動かし、禰豆子を捜す。汐がここにいるということは、禰豆子もここに連れてこられているはずだ。しかしいくら探しても、それらしい人影は見つからなかった。
「殺してやろう」
「うむ!」
「そうだな。派手にな」
悲鳴嶼、煉獄、宇随の三人は二人を見下ろしながら物騒な言葉を吐く。その言葉が本気であるということは、眼を見れば明らかだ。
汐はさらに眼を鋭くさせ、三人を睨みつけた。
(禰豆子、禰豆子何処だ!?善逸!伊之助!村田さん!!)
炭治郎は必死に首を動かし、仲間たちの姿を捜す。そんな中、不意にどこからか別の声が聞こえてきた。