第46章 柱合会議<弐>
「痛っ!あんた、あとで覚えておきなさいよ!!絶対にただじゃすまないから!!」
汐は捨て台詞を吐きながら顔を動かすと、そこには数人の色とりどりの男女が立っていて、その前には――
「炭治郎ッ!!」
汐はすぐさま体を起こすと、脇目も降らずに炭治郎の下にかけていった。
「炭治郎!!ああよかった、無事だったのねあんた!!」
汐はそのまま炭治郎に駆け寄ると、目に涙をためながら彼を見つめた。炭治郎が生きていた。汐の胸に喜びが沸き上がる。
抱き着きたかったが、両腕を拘束されているためそれが叶わないのがもどかしい。
(汐も無事だったんだ、よかった。でも、なんで汐がここに・・・?それに汐につけられている拘束具・・・まさか、裁判を受けるもう一人の隊士って・・・!)
安堵を宿した炭治郎の顔が、急速に青ざめる。自分には心当たりが少なからずあるが、汐は自分と禰豆子を助けようと必死に戦ってくれた命の恩人だ。
そんな彼女が、裁判を受けるようなことをしたとは・・・汐の性格上、ないとは言い切れなかった。
「おーおー、お熱いのも結構だが、あいにくここは逢引する場所じゃあないんでね。少しばかり慎んでもらおうか」
頭上から声が降ってきて、汐と炭治郎は肩を震わせる。見上げると色とりどりの男女たちと目が合った。
その瞬間、汐の体が思わず強張った。彼らの眼は、皆とてつもない力を宿しているように見えた。一目見て、只者じゃないと分かるほど。
(もしかして、こいつらが今現在の柱・・・。おやっさんや鱗滝さんが嘗て就いていた、鬼殺隊士最高位の剣士!!)
汐は炭治郎を庇うようにして柱たちを睨みつける。そんな汐に、しのぶは穏やかな口調で言った。