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【鬼滅の刃】ウタカタノ花

第44章 絆<肆>


月明かりの届かない暗がりの森を、一つの影が駆け抜けてゆく。
左右の柄が違う風変わりな羽織と纏った青年だ。
彼の名は冨岡義勇。鬼殺隊最高位の称号『柱』を持つものであり、現在は十二鬼月がいるという情報を元にこの那田蜘蛛山へと潜入している。

先程、自分の身長以上の大型の鬼を討伐しその際に猪の被り物をした妙な少年に絡まれたものの、これ以上無茶をしないようにしっかりと縛り付けてから来た。
あの傷では戦闘は不可能であろうし、この山には既に【隠】たちが到着しているからうまく回収してくれるだろう。

そんな時だった。

遠くで爆発音が聞こえ、地面を微かに揺らした。

(なんだ・・・!?)

義勇は足を止め音の下方向を見る。爆発の影響か、土煙が狼煙のように立ち上っているのが視界に入った。

この山に来ている隊士が爆発物を持っていたのか、将又鬼の血鬼術かは定かではないが、どちらにせよその場所で戦闘が行われていることは確かだ。

――急いだほうがよさそうだ。

義勇は足に力を込めると、疾風のごとく駆け出した。
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