第43章 絆<参>
汐の必死の叫び声が、音の波となって炭治郎の耳に届く。その瞬間、彼の体中のすべての細胞が熱を持ち、奥底から力が漲った。
炭治郎はすぐにわかった。これは、汐の声(ちから)なのだと。
そしてそのまま炭治郎は刃を累の頸へ食い込ませる。先ほど汐の刃を砕いたことでわかるように、彼の頸は糸よりも硬い。
だが、汐の声による力の漲りと、刀に付着した禰豆子の血が爆ぜ、日輪刀が急激に加速した。
「俺達の絆は、誰にも引き裂けない!!!」
炭治郎の渾身の斬撃が、ついに累の頸を斬り飛ばす。暗い夜空に、白い頸が放物線を描いて綺麗に舞った。