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【鬼滅の刃】ウタカタノ花

第24章 襲撃<壱>


「ありがとう、あたしたちも矢印が見えたわ!」
「ならさっさと倒せ!!」
矢印と毬をよけていると、禰豆子が駆け足で戻って来た。炭治郎は彼女に、木の上に鬼がいることを告げる。
「禰豆子、頼む!」

禰豆子はうなずくと、すぐさま飛び出し木の上へと向かった。
汐と炭治郎も続くように外に出ると、朱紗丸に向かって刀を構える。

「お前の相手は俺たちだ」
「よくもさんざん痛めつけてくれたわね。たっぷり礼をしてやるわ!」

朱紗丸の目が炭治郎の耳飾りと汐の青い髪へと移る。

「あの御方にお前等の頸を持っていこうぞ。青髪のお前は声帯ごとじゃ!」

朱紗丸がまた毬を投げ、赤い矢印がその軌道を不規則に捻じ曲げる。二人は散り、矢印と毬はそれぞれの方向へ追いかける。
地面を転がり、壁を走り、木の間を縫って二人は攻撃をかわす。しかし毬は尽きることなく二人を襲い続けた。

(禰豆子、まだか!?)炭治郎はすがるような思いで、木の上に視線を向けた。

そのころ、禰豆子は軽やかに木の上を飛び鬼を探していた。早くしなければ兄たちががやられてしまう。少し焦りが見え始めたころ、彼女の目が木の上に座っている矢琶羽を捕らえた。
禰豆子は瞬時に距離を詰めると、矢琶羽が気づくより早く強烈な蹴りを二発叩き込んだ。
すると矢印が消え、毬の動きが単調になった。

――海の呼吸――
――水の呼吸――

――弐ノ型 波の綾!!
――参ノ型 流流舞!!

二つの流れるような斬撃が毬をすべて断ち切ると、炭治郎はそのまま朱紗丸に近づき、6本の腕を斬り落とした。

「珠世さん。この二人の鬼は鬼舞辻に近いですか!?」
「おそらく」
「では必ず、この二人から血をとって見せます!!」

炭治郎が高々に宣言すると、腕を斬り落とされた朱紗丸は心底おかしそうに笑った。
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