第157章 不滅<弐>
「そうだろうね・・・。私は・・・、半年も前には・・・医者から・・・数日で死ぬと・・・言われていた」
無理をした反動か、輝哉の口からは血が零れ落ち布団に染みを作っていく。
「それでもまだ・・・私は生きている・・・。医者も・・・言葉を・・・失っていた」
――それもひとえに・・・、君を倒したいという一心ゆえだ・・・、無惨
輝哉は包帯の隙間から、見えないその目をしっかりと無惨の方へ向けた。
「その儚い夢も今宵潰えたな。お前はこれから私が殺す」
無惨は淡々と言葉を紡いだ。
「君は・・・知らないかもしれないが・・・君と私は同じ血筋なんだよ・・・」
あまねに身体を支えてもらいながら、輝哉は息を切らしつつそう言った。
「君が生まれたのは・・・千年以上も前の事だろうから・・・私と君の血はもう・・・近くないけれど・・・」
「何の感情もわかないな。お前は何が言いたいのだ?」
無惨は興味がないと言わんばかりの表情を、輝哉に向けた。
「君のような怪物を・・・一族から出してしまったせいで・・・、私の一族は・・・呪われていた・・・」
喉からか細い呼吸音を響かせながらも、輝哉はかすれた声で紡いだ、
「生まれてくる子供たちは皆、病弱ですぐに死んでしまう・・・。一族がいよいよ絶えかけた時、神主から助言を受けた・・・」
――同じ血筋から鬼が出ている・・・。その者を倒す為に心血を注ぎなさい・・・。そうすれば一族は絶えない・・・