第156章 不滅<壱>
一方、義勇の屋敷を後にした実弥は、腹立たし気に舌打ちをしながら歩いていた。
(くそがァ、いったい何なんだアイツらはァ。調子の狂ったガキ共だぜ本当に)
実弥は苛立ちと恥ずかしさを入り混ぜながら、屋敷へ向かって足を進めていたその時だった。
不意に背後から、草がこすれる物音が聞こえた。
実弥は振り返ると同時に、反射的に動いたものをつかみ取った。
手の中で何かが潰れる手ごたえを感じ、そっと手を開く。
「なんだァァ、これはァ」
手を離せば、そこには奇妙なものが血を滴らせながら落ちていった。
丸い形に細い触手のようなものが付いており、その中心には大きく【肆】と刻まれていた。