第156章 不滅<壱>
同時刻。
産屋敷邸のある一室。そこでは全身に包帯を巻いた輝哉が、布団に仰向けに横たわっていた。
病の証である痣はほぼ全身に広がり、口からはか細い呼吸音が漏れている。
彼の傍には妻であるあまねが一人で、静かにたたずんでいた。
その時だった。
不意に砂利を踏む音が聞こえ、輝哉はゆっくりと口を開いた。
「・・・やあ、来たのかい」
その穏やかな声は、夜の闇の中に静かに響く。
「・・・初めまして、だね。鬼舞辻・・・無惨」
「・・・何とも、醜悪な姿だな。産屋敷」
名を呼ばれたその男は、口元を歪ませてほくそ笑んだ。