第156章 不滅<壱>
少し歩いていくと、あたりは一面の竹林へと風景が変わっていった。普通の嗅覚である汐にもわかる程、竹の香りがあたりに漂う。
「そろそろ義勇さんの屋敷につくはずだ。ほら、あの【千年竹林】て書いてある岩があるから・・・」
炭治郎が言い終わる前に、近くで大きな音が聞こえた。
二人は顔を見合わせると、慌てて音がする場所へと走り出した。
そこで見たものに、二人は目を見開いて口を開けた。
義勇ともう一人、不死川実弥が剣を交えていた。
「な、なんであいつがここに?」
呆然とする汐の目の前で、実弥は木刀を構え大きく息を吸った。
――風の呼吸・壱ノ型――
――塵旋風・削ぎ
実弥はらせん状の風を纏いながら、凄まじい速度で義勇に斬りかかった。その一撃を辛うじて躱すも、義勇の木刀に亀裂が走った。
その速度に汐と炭治郎は驚くものの、二人の動きを目で追うことができていた。
「オラオラオラァ、どうしたァ!!」
実弥は大声を上げながら、義勇に猛攻撃を叩き込んだ。
「テメェは俺たちとは違うんじゃねえのかよォ!!」
(あっ・・・、それはそういう意味じゃ・・・)
その言葉を聞いた炭治郎は、悲しそうな表情を浮かべた。