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【鬼滅の刃】ウタカタノ花

第22章 遭遇<参>


「先ほどの質問ですが、辛くはないですよ。普通の鬼よりかなり楽かと思います。私は自分の体を随分《《弄って》》いますから。鬼舞辻の《《呪い》》も外しています」
「呪い?」
「体を、弄った?」

珠世の言葉の意味が分からず、汐と炭治郎は首をかしげる。珠世は来ていた割烹着を脱ぐと、汐達を別室へと案内した。

「ああっ、禰豆子。行儀悪いぞ」
疲れたのか部屋につくなり、禰豆子はごろりと畳に寝転がる。それを窘める炭治郎に、珠世は楽にしてくれて構わないと告げた。

「先ほどの続きですが、私たちは人を食らうことなく暮らしていけるようにしました。人の血を少量飲むだけで事足りる」
「血を?それは・・・」
「不快に思われるかもしれませんが、金銭に余裕のない方から輸血と称して血を買っています。もちろん、彼らの体に支障が出ない量です」

その言葉を聞いて、汐は納得した。この二人から鬼が見せるあの不快感がしないのはそのせいなのだと。しかし、それでも生きるために人血は必須であることから、やはり彼らが人ならざる者であることがうかがえる。

「愈史郎はもっと少量の血で足ります。この子は私が鬼にしました」
「「え!?」」
二つの声が綺麗に重なる。確か話では、鬼を増やすことができる鬼は鬼舞辻だけだったはずでは、と。

「そうですね。鬼舞辻以外は鬼を増やすことができないと言われている。それは概ね正しいです。二百年以上かかって鬼にできたのは、愈史郎ただ一人ですから・・・」

珠世の言葉に、炭治郎の体がぶるぶると震える。汐は何事かと炭治郎に顔を向けると

「二百年以上かかって鬼にできたのは、愈史郎ただ一人ですから!?珠世さんは何歳ですか!?」

炭治郎が声を上げた瞬間、愈史郎の手刀が炭治郎の喉にさく裂した。
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