• テキストサイズ

【鬼滅の刃】ウタカタノ花

第153章 真実(後編)<弐>


先程のワダツミの子の話を、未だに信じ切ることは出来ないでいた。

(どうして、どうして汐がこんな目に遭わなければいけないんだ・・・。汐が一体何をしたっていうんだ・・!)

炭治郎は汐のことを思うと悔しくてたまらなかった。汐の運命を狂わせたウタカタノ花を心底恨めしく思った。

だが、それでも汐が汐であることは変わらないし、ワダツミの子だろうが何だろうか関係ない。そう思っていた。

(汐ともう一人の汐に伝えたこと。あれは紛れもなく俺の本心だ。けど、今思うと一つだけ。俺は無意識に汐に嘘をついていた・・・)

炭治郎は目を閉じながら、ゆっくりと顔を上げた。

『お前は大海原の事を好きなんだよ!!』

悲鳴嶼邸で村田達に指摘された言葉が、炭治郎の脳裏によみがえった。

(ああ、そうか。そうだったんだ)

炭治郎は目を開けると、眠る汐をもう一度見つめた。

初めて出会った時から、今の今までずっと汐が傍にいた。どんなに辛くても苦しくても、汐が傍にいて支えてくれた。
汐の存在に、ずっと助けられてきていた。

(村田さん達に指摘されるずっと前から。俺は――)

――大海原汐が、好きなんだ。仲間や家族としてだけじゃなく、一人の女性として、もっともっと特別な意味で。
/ 1491ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp