• テキストサイズ

【鬼滅の刃】ウタカタノ花

第150章 真実(前編)<参>


(悲鳴嶼さんのところに行く前に、善逸の様子を見に行こう。炭治郎も見に行っているだろうけど、念のためにね)

汐は善逸がいるであろう場所に静かに足を進めた。すると、岩の傍に静かに立つ善逸の姿が見えた。

だが、その顔の下からは、血の雫が滴っていた。

「ちょっと、あんた!何よその傷・・・」

汐は慌てて善逸の腕を引き、顔を見てぎょっとした。
善逸の"目"が、いつものそれと全く違っていたからだ。

「あんた・・・、その"目"・・・」

汐が声を震わせると、善逸は目を閉じて汐に背を向けた。

「驚かせて、ごめん」

善逸の口から、静かな声が漏れた。そのただならぬ雰囲気に、汐は善逸に何かがあったことを察した。

「何か、あったのね」

汐が尋ねると、善逸は口を閉じたまま何も言わない。だが、その沈黙が肯定を示す何よりの証拠だった。

何があったかを聞こうとして、汐は口を閉じた。先ほどの善逸の"目"が、それを望んでいなかったからだ。

「汐ちゃんは訓練を終えたんだよな」

善逸は振り返らないまま、そう言った。汐が頷くと、善逸は「そうか、おめでとう。頑張って」と静かに言った。
/ 1491ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp