第150章 真実(前編)<参>
「ああ、えっと」
炭治郎はしどろもどろになりながらも、先ほどの会話を汐に伝えた。
「成程ねぇ。正式な継子じゃなくて弟子って聞いてたから違和感はあったけど、そういう事だったのね」
汐は渡された食事に舌鼓を打ちながら言った。
「でもなんだかんだ言って、悲鳴嶼さんは玄弥が可愛くてしょうがないのよ。そうでなきゃ、こっそり様子を見に来たりはしないだろうし」
「そうだな」
「それに、玄弥の事を心配してるのは悲鳴嶼さんだけじゃないわよ」
汐はそう言って、頭を抑えながら立ち上がる玄弥を見た。
「あいつも、ね」
汐の言葉に、玄弥は驚いた顔をした。
「あいつって、風柱の・・・、不死川さんの?」
「うん。あいつとやりあった時に少しね」
「そうかぁ。やっぱりそうだったんだ」
炭治郎は柔らかく笑うと、小さくうめいている伊之助のこぶの手当てをしながら言った。
「玄弥と一緒に義勇さんの所に行けるなら道すがら話そうと思ってたんだけど・・・」
炭治郎は玄弥を見つめながら、そっと口を開いた。
「あの人はさ・・・」