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【鬼滅の刃】ウタカタノ花

第148章 真実(前編)<壱>


汐は岩を前にして一つ、大きく深呼吸をした。玄弥が言っていた"反復動作"の事を思い出す。

(あたしの反復動作。それは勿論、あたしの大切なもの。大切な人達を思い浮かべる事)

汐は頭の中に、今まで自分が助け、助けられた者たちを思い浮かべた。

生きる術を教えてくれた玄海、鬼殺の道を示してくれた義勇、その命を賭して多くの命を守り切った煉獄、強くなる決意を抱かせてくれた蜜璃。

(次に忘れてはならないのが、あたしの中で決して消えない、鬼への殺意)

人を喰らい傷つける悪しき鬼。大切なものを守るためには棄ててはいけない、決意の一つ。

(そして何より、あたしにとって一番大事なことは、愛する人の幸せを守る事!)

汐の頭の中に、炭治郎の笑顔が浮かぶ。その想いが強い決意となり、汐の身体中の細胞を活性化させた。

「うおおおおおおお!!!!」

岩に手をつく汐の口から獣のような咆哮が発せられ、空気をびりびりと震わせる。
すると、今までびくともしなかった岩が、ほんの微かに動いた。
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