第147章 本音<肆>
「ご、ごめん。汐を悲しませるつもりはないんだ。ただ・・・」
「ただ?」
「まだいろいろと、気持ちの整理がついてないんだ。でも、俺は怒ってないし、汐の事を嫌っていることは絶対にないから」
そう言い切る炭治郎の"目"には、嘘偽りなどなかった。
「そっか。ごめんね、変なことを聞いて」
「いや、俺も汐に変な誤解をさせてしまって、ごめん」
再び謝りあう二人を見て、玄弥は何故か微かな腹立たしさを感じた。
「じゃあ早速、と言いたいところだけど、あたしはもう戻るわ。いろいろあって疲れたし、疲れているときに無理をしても意味がないわ」
「そうだな。俺も無理しないで戻るよ。玄弥、ありがとう」
「ありがとね」
二人から礼を言われ、玄弥は耳まで顔を真っ赤にするのだった。