第147章 本音<肆>
(な、何で汐がここに・・・?それに玄弥も・・・)
炭治郎の心臓の音は何故かうるさいくらいに鳴り響き、口は乾き汗が吹き出す。
「大丈夫?なんだか顔色が悪いわよ?」
「え?い、いや、大丈夫だ。それより二人はどうしてここに?」
「玄弥があんたの事が気になるっていうから、ついでに付いてきたのよ」
怪訝そうな顔をする炭治郎に、汐は玄弥が謹慎していたことを伝えた。
「そうだったのか。道理で連絡が取れないと思ったよ。でも、玄弥が元気そうでよかった」
「悪かったな。巻き込んじまって・・・」
玄弥が申し訳なさそうに謝ると、汐は肘で玄弥を小突いた。
「馬鹿、言葉が違うでしょ?」
「あ、そうだった。庇ってくれて、ありがとよ」
玄弥がバツの悪そうな顔で言うと、炭治郎は顔を赤らめ手を振った。
そんな炭治郎を見ていた玄弥だが、ふと何かに気づいて目を見開いた。
「なあ炭治郎。お前の額の痣、濃くなってないか?」
「「えっ?」」
玄弥の声に、汐と炭治郎は同時に声を上げた。
「あー、よく見たら確かに少し色が濃くなってるかも・・・」
汐は炭治郎の痣をまじまじと見ようと近づいた。すると、炭治郎は驚いたのか一歩後ろに下がった。
「あ、ごめん」
「い、いや。俺もごめん」
二人は気まずそうに謝りあい、それを見ていた玄弥は難しい顔をした。