第146章 本音<参>
そして始まった食事の時間。
「俺、今回の訓練で気づいたわ」
握り飯を頬張りながら、村田がぽつりとつぶやいた。
「今の柱達が、継子いない理由」
「なんですか?」
炭治郎がきょとんとして聞き返すと、村田は遠くを見つめるようにしていた。
「俺もなんとなくわかったわ」
そう言うのは、短い黒髪の吉岡という隊士だ。
「しんどすぎて、みんな逃げちゃうんだろ」
「ああ・・・」
坊主頭の長倉の言葉に、跳ねた黒髪の島本は力なく相槌を打った。
「それとかあの金髪みたいにさ、柱との違いに打ちのめされて心折れたりさ」
おかっぱ頭の野口はそう言って、握り飯を齧った。
「こういうのを当然のように こなしてきたんだから、柱ってやっぱすげぇわ」
「そうですね・・・」
村田の言葉に、炭治郎は握り飯を作りながら答えた。
「まあそれが大きな理由だと思うけれど、個性的な面子ばかりだから、その乗りについていけないって言うのもあるんでしょうね」
汐は握り飯を食べつつ、奪おうとする伊之助を牽制しながらそう言った。