第146章 本音<参>
「あ、ちょうど通ってるな」
「相変わらずぶっ飛んでるわねぇ、あの人」
そんな悲鳴嶼を見て、炭治郎と汐は感心し、善逸を含めた他の隊士達はそのまま石のように固まった。
「凄いなぁ、悲鳴嶼さん。俺もあんな風になれるかな!?」
炭治郎がそう言った瞬間、善逸の怒鳴り声が響き渡った。
「なれて、たまるか!!たまるものかァ!!」
善逸は目玉を飛び出させながら叫ぶと、炭治郎の頭を高速で殴打し始めた。
「バカかお前、コンニチハ頭、大丈夫デスカ!!」
「イデデデ」
炭治郎は頭を抑えながら、痛みに耐えるように目を固く閉じていた。
「ちょっ、やめなさいよ善逸!」
汐が制止に入るが、善逸は止まらない。
「あのオッサンが異常なの!!オッサンそもそも熊みたいにデカいだろうが!!」
「いや、でも・・・」
「黙れ!!巨人と小人じゃ生まれついての隔たりがあんのよ!!分かるだろ!!」
「あんた・・・、いい加減に・・・」
汐が顔を歪ませながら言うと、伊之助はそんな騒ぎなど気にしないと言わんばかりに立ち上がった。
勿論、しっかりと被り物をしてだ。