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【鬼滅の刃】ウタカタノ花

第146章 本音<参>


パチパチと小枝が爆ぜる音と、立ち上る煙と共に魚の焼ける香りが漂う。

そんな中、伊之助は真っ先に焼き立ての魚を取ると被り物を脱いでかじりついた。

久しぶりに見た伊之助の素顔は、相も変わらず整っていた。

皆が魚の味に舌鼓を打っていたころ。

「アイツすげぇよ、玉ジャリジャリ親父」

魚を齧りながら伊之助は唐突にそんなことを言った。

「玉ジャリジャリ親父?誰よそれ」
「多分悲鳴嶼さんの事だと思う。変なあだ名を付けちゃだめだよ伊之助」

炭治郎は困った顔をしながら伊之助を窘めた。

「初めて会った時からビビッと来たぜ」

伊之助はそう言って魚の骨を音を立てて噛み砕いた。

「骨まで食べるのか、伊之助」
「別に構わないけど、喉に刺さると面倒だからちゃんとよく噛みなさいよ」

軽く引く炭治郎と、呆れながらも伊之助を心配する汐の声が重なった。

しかし伊之助は二人の言葉を聞いていないのか、口を動かしながら話した。

「間違いねぇ、アイツ――」

――鬼殺隊最強だ

伊之助のその言葉に汐と炭治郎は肩を跳ねさせ、他の隊士達は怪訝そうな顔で首を捻った。
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