第145章 本音<弐>
「あ、そうだ、悲鳴嶼さん」
そんな中、汐はある事を思い出すと、悲鳴嶼の所へと足を進めた。
「今まで忘れてたけど、あたし、あんたに次に会ったらお願いしたいことがあったんだ」
「お願いしたいこと?」
「あ、訓練が終わった後でいいの。その・・・」
汐がそういうと、悲鳴嶼は怪訝そうな顔で首を傾げた。
「あー、ちょっと恥ずかしいから大きな声で言えないの。だからちょっと、耳を貸してくれる?」
「???」
悲鳴嶼は訳が分からないと言った表情をしながらも、汐に背丈を合わせるようにしゃがんだ。
汐は少し目を泳がせてから、おずおずと悲鳴嶼の耳にささやいた。
「・・・・」
汐汐から頼みごとを聞かされた悲鳴嶼は、困惑したように眉根を寄せた。
「そんなことでいいのか?」
「・・・うん」
汐は微かに頬を染めながら、うつむきがちに言った。
「それは構わないが・・・」
「ホントッ!?」
悲鳴嶼がそう言うと、汐はぱっと顔を輝かせて言った。
「やった!よーし、やってやるわよー!!」
汐はやる気に満ちた顔でそう叫ぶと、隊服の上着を脱ぎ、晒を巻いた上半身を露にしながら滝へと向かった。