• テキストサイズ

【鬼滅の刃】ウタカタノ花

第143章 譲れないもの<肆>


「ふざけんな!!あなたにそこまでする権利ないだろ!辞めるのを強要するな!!」

炭治郎は先程の出来事を思い出し、あふれる怒りを言葉に乗せて実弥にぶつけた。

「さっき、弟なんかいないって言っただろうが!!玄弥が何を選択したって口出しするな!才が有ろうが無かろうが、命を懸けて鬼と戦うと決めてんだ!!」

そう、炭治郎は知っていた。玄弥がどんな思いで今まで戦ってきたか。自らの身体に多大な負担をかけてまでここまでやってきた理由を。

「兄貴じゃないと言うんなら、絶対に俺は玄弥の邪魔をさせない!!玄弥がいなきゃ上弦には勝てなかった!!再起不能なんかにさせるもんか!!」

自分の為に怒っている炭治郎を、玄弥は呆然と見つめていた。

「そうかよォ。じゃあ、まずテメェから再起不能だ」

実弥の殺意が玄弥から炭治郎に移り、炭治郎はにじり寄ってくる実弥をしっかりと見据えた。

だが、実弥は瞬時に距離を詰めると、炭治郎の鳩尾に容赦なく拳を叩き込んだ。

「うわっ、炭治郎!!」

その光景を見ていた善逸が思わず叫ぶ。

しかし、その光景に驚いたのは実弥もだった。

(コイツ!!止めやがった!!)

よく見れば実弥の拳は、炭治郎の両手に阻まれている。

「ふんがァ!」

炭治郎はそのまま身体を大きく捻ると、遠心力を利用して片足を実弥の後頭部へ叩き込んだ。
/ 1491ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp