第20章 遭遇<壱>
「炭治郎!久しぶりぃ!!元気だった!?」
「汐こそ!まさかこんなところで君に会えるなんて思わなかったよ!」
先ほどの疲れは何処へやら、二人はしばらく互いの手を握ったままくるくると回り再会の喜びを味わった。
そして汐の視線は隣にいた禰豆子に向けられる。
「禰豆子!久しぶり!あたしのこと覚えてる?」
汐がそう言うと、禰豆子は少しぼんやりした表情で見つめ返した。そんな彼女を汐はぎゅっと強く抱きしめる。
「元気だった?ケガしなかった?変な奴に襲われたりしなかった?」
「え?いや、その」
弾丸のようにまくしたてる彼女に、炭治郎は困惑する。その彼の反応に、汐はそれらがあったことを瞬時に悟った。
「あったのね。禰豆子を傷つけたバカがいたのね!許せない!今すぐぶっ殺してやるわ!場所を教えて!!」
「落ち着け汐!もう俺が片付けたから大丈夫だ!だから殺意!殺意引っ込めて!!」
怒りのあまり刀を抜く汐を、炭治郎は必死で押さえつけたのであった。