第135章 為すべきこと<参>
座るなり炭治郎は、柱稽古という大規模な訓練が始まったことを話しだした。
正直柱である彼が知らないはずはないと思いつつも、汐は話している炭治郎を黙って見つめていた。
「っていう感じで、みんなで稽古してるんですけど」
「知ってる」
「あ、知ってたんですね、良かった!」
義勇が答えると、炭治郎はすかさず相打ちを打つ。
流れるような会話に汐が舌を巻いていると、炭治郎はにこやかな笑顔でつづけた。
「俺、あと七日で復帰許可が出るから、稽古つけてもらっていいですか?」
「ちょっと、あんた何抜け駆けしてんの。あたしにもつけてよ。冨岡さんの水の呼吸、炭治郎とちょっと感じが違うから興味あったのよね」
炭治郎の話に汐が乗っかると、義勇は微かに眉根を寄せてから口を開いた。
「つけない」
「なんでよ?」
汐がすかさず反応すると、義勇の前に炭治郎が口を開いた。
「義勇さんからじんわり怒っている匂いがするんですけど、何に怒っているんですか?」
炭治郎がそう言うと、義勇は更に眉根を寄せながら答えた。
「炭治郎が、水の呼吸を極めなかったことを怒っている」
「はあ?」
汐は思わず声を上げる。義勇はつづけた。