第135章 為すべきこと<参>
その頃、宇髄邸では・・・
「遅い!!」
晴れ渡った空の下を、宇髄の怒声が響いていた。
「遅い、遅い、遅い!!何してんのお前ら。意味わかんねぇんだけど!!」
宇髄は片手に竹刀を持ちながら、眼前で蠢く隊士達に檄を飛ばしていた。
「まず基礎体力が無さすぎるわ!!走るとかいう単純なことがさ、こんなに遅かったら上弦に勝つなんて、夢のまた夢よ!?」
宇髄の言葉は、地面に突っ伏している隊士達容赦なく突き刺さるが、彼等は動くことすらできないようだった。
「ハイハイハイ、地面舐めなくていいから。まだ休憩じゃねぇんだよ。もう一本走れ」
宇髄はそんな彼等に、容赦なく竹刀を振り下ろす。
乾いた音が響き渡り、隊士達のうめき声が聞こえた。
(ったく、どうしようもねえな。質が悪い!)
そんな隊士を見て、宇髄はうんざりしたように鼻を鳴らした。
柱稽古。その名の通り、柱達による一般隊士達の強化訓練。
まず初めに宇髄の下で基礎体力の向上から始まり、無一郎による高速移動の稽古。
次に蜜璃の地獄の柔軟訓練、伊黒による太刀筋矯正訓練、実弥による無限撃ち込み稽古。悲鳴嶼による筋力強化訓練。
柱一人一人がそれぞれの訓練を担当し、隊士達は彼らの元を回って稽古を受ける。
だが、この訓練の目的はそれだけではなかった。