第135章 為すべきこと<参>
「オ館様カラノ手紙ダ!!至急読ムノダ!!」
「オ館様カラノオ手紙デス~。今スグ読ンデクダサイネェ~」
「「えっ!?」」
鴉の言葉に、二人は目玉が飛び出る程驚いた顔をした。
「お、お、お館様からァーー!?ど、どうしよう!あたしまた、なんかやらかした!?」
「(自覚あるのか・・・)いや、手紙からはそんな殺伐とした匂いはしない。とにかく読んでみよう」
二人は顔を見合わせてうなずくと、恐る恐る手紙を開いた。
「え、これって・・・」
汐と炭治郎は、輝哉からの手紙を読み進めて息をのんだ。
「お館様、もうそんなに具合が悪くなってたの・・・。それに、これ・・・」
汐は読み終わると硬い表情のまま炭治郎を見た。
「・・・汐。頼みがあるんだ」
炭治郎は手紙を読み終えると、汐の目を見据えながら言った。
「俺と一緒に行って欲しい。お館様の頼みを聞くために」
「そんなの当り前よ。嫌って言ってもついていくわ。お館様の直々のお願い、断る理由なんてないもの」
汐は決意を込めた表情で頷き、炭治郎も同じく頷いた。
「じゃああたしは、しのぶさんに話をしてくるわ。それまで勝手な事するんじゃないわよ」
汐はそう言うと、足早にしのぶの元へ向かった。
「・・・・」
炭治郎は、輝哉からの手紙を握りしめながら目を伏せた。
「・・・冨岡さん」
炭治郎の小さく呟かれた名前は、病室に静かに響いた。