第134章 為すべきこと<壱>
「日輪刀と同じ素材・・・。それって、玄弥の銃のようなものですか?」
炭治郎が尋ねると、鉄火場は「おそらく」と答えた。
「銃?」
汐が聞き返すと炭治郎は、玄弥は日輪刀の他に日輪刀と同じ素材でできた銃を使うということを話した。
「そうだったの。何よアイツ。あたしが話しかけた時は、そんなことちっとも教えてくれなかったわ」
「玄弥と?」
今度は炭治郎が聴き返すと、汐は頷いた。
「でも、あたしと話す時は何故か顔を赤くして目を逸らすのよね。いい加減に慣れて欲しいわ。あたしだってもっともっと玄弥と話してみたいのに」
汐はそう言って頬を膨らませると、炭治郎は何とも言えない微妙な気持ちになった。
「話を戻しましょう」
鉄火場の冷静な声に、炭治郎は慌てて気持ちを切り替えた。
「調べてみた所、江戸よりもさらに前の時代、戦国、もしくは安土桃山時代辺りの物ということがわかりました。その頃には既に日輪刀を打つ技術がありましたから、この懐剣はその過程で打たれたものでしょう」
「でも、これじゃあ鬼の頸は切れないわね。精々隙を突くくらいにしか使えなさそう」
汐が首をひねっていると、黙っていた鋼鐵塚が口を開いた。