第134章 為すべきこと<壱>
「だからそれは、第一段階までしか研ぎ終えていないのに、お前らが持ってって使ったからだろうが!!錆が落としきれて無かったんだよ、ブチ殺すぞ!!」
「すみません!!」
「今もまだ傷が治りきってなくて、ずっと涙が出てるんだよ!痛くて痛くてたまらないんだよ!!研ぎの途中で邪魔されまくったせいで、最初から研ぎ直しになったんだからな!!」
「すみません」
痛みと仕事を台無しにされた怒りは収まらず、鋼鐵塚は炭治郎の頬を引っ張った。
「でも、怪我の酷さならコイツの方も負けてないっスよ」
二人のやり取りを見かねた後藤が、炭治郎に助け舟を出した。
「身体中の骨折れまくってるし、コイツ」
鋼鐵塚は後藤に顔を向け、動きを止めるがそれは一瞬の事だった。
「ブチ殺すぞ・・・!!」
「話通じねぇな!!」
再び怒りに燃えた鋼鐵塚が、後藤につかみかかろうとしたとき。
軽快な音と、鋼鐵塚のうめき声が上がった。
「まったく、いきなり走り出したかと思えば、怪我人になんて真似をしているんですか」
頭を抑える鋼鐵塚の背後から、呆れを孕んだ声が聞こえた。
炭治郎と後藤が顔を向ければ、右手に木槌を握った鉄火場の姿があった。