第134章 為すべきこと<壱>
「大丈夫じゃない感じですか!?」
炭治郎が尋ねると、鋼鐵塚は黙って持っていた刀を差しだした。
「あっ、刀・・・。ありがとうございます」
炭治郎は礼を言って刀を受け取った。
(あっ、こ、これは・・・!)
刀を見て、炭治郎は目を見開いた。
「煉獄さんの鍔だ!!」
そこには、自分たちの命を救ってくれた、煉獄の鍔がつけられていた。
「小鉄くんを守ってくれて、ありがとうございます・・・」
炭治郎は目に涙を浮かべながら、天国にいる煉獄に心から感謝の言葉を述べた。
「座ってください、大丈夫スか?」
息も絶え絶えな鋼鐵塚を心配して、後藤は自分が据わっていたイスを譲った。
鋼鐵塚は椅子に腰を下ろすと、か細い声で「刃・・・」と言った。
「刃かな!?刀身も見ますね」
炭治郎は慌てて刀を抜くと、その刀身に瞬時に目を奪われた。
そこには、今までの自分の刀とは比べ物にならない程の純粋な"黒"がそこにあった。