第133章 光明<肆>
「戦国の時代、鬼舞辻無惨をあと一歩と言う所まで追い詰めた始まりの呼吸の“剣士たち”・・・。彼らは全員に、鬼の紋様と似た痣が発現していたそうです」
あまねの語る言葉に、柱達は驚いたように肩を震わせた。
「伝え聞くなどして、御存じの方は御存じです」
あまねの言葉に悲鳴嶼は口をつぐみ、なんとも言えない表情を浮かべていた。
「俺は初耳でした。何故伏せられていたのです?」
「痣が発現していない為、思い詰めてしまう方が随分いらっしゃいました。それ故に、痣については伝承が曖昧な部分が多いです」
実弥の問いに、あまねは少し目を伏せながら答えた。
「当時は重要視されていなかったせいかもしれませんし、鬼殺隊がこれまで、何度も壊滅させられかけ、その過程で継承が途切れたからかもしれません。ただ一つはっきりと記し残されていた言葉があります」
――“痣の者が一人現れると、共鳴するように周りの者たちにも痣が現れる”
「始まりの呼吸の剣士の手記に、このような文言がありました」
あまねの代わりに応えたのは、彼女の息子である黒髪の少年だった。