第133章 光明<肆>
「今、この時代で最初に痣が現れた方。柱の階級ではありませんでしたが、竈門炭治郎様。彼が最初の痣の者」
炭治郎の名前が出た瞬間、一部の柱達の表情が強張った。
「ですが御本人にも、はっきりと痣の発現の方法が分からない様子でしたので、ひとまず置いておきましたが、この度それに続いて柱の御二人が覚醒された。御教示願います。甘露寺様、時透様」
「は、はい!!」
あまねに見惚れていた蜜璃は、不意に名前を呼ばれて上ずった声で返事をした。
「あの時はですね、確かにすごく体が軽かったです!!」
あの時の感覚を思い出しながら、蜜璃は上ずった声のまま答えた。
「ぐあああ~~って来ました!グッてして、ぐあーって、心臓とかがばくんばくんして、耳もキーンてして、メキメキメキィって!!」
蜜璃の説明に、柱達は勿論あまねたちですら、呆然とした表情で見つめていた。
伊黒に至っては、頭を抱えてしまう始末だった。
「申し訳ありません。穴があったら入りたいです」
一気に変わった空気に蜜璃は我に返ると、真っ赤な顔で顔を伏せた。
(もぉー!何やってるのよ私の馬鹿馬鹿!!こんなんだから、しおちゃんに呆れられちゃうのよ!)
蜜璃が心の中で自己嫌悪に陥っている中、空気を切り裂く様に無一郎の声が響いた。
「痣というものに自覚はありませんでしたが、あの時の戦闘を思い返してみた時に、思い当たること、いつもと違うことが、いくつかありました」
無一郎は真剣な表情で、あまねの目を真っ直ぐ見据えた。
「その条件を満たせば、恐らく みんな痣が浮き出す。今から、その方法を御伝えします」
無一郎の言葉に、場の空気が一瞬にして張り詰めるのだった。