第133章 光明<肆>
「ところで、誰この人?」
「え、覚えてないか?後藤さんだよ。ほら、俺と一緒に裁判にかけられたとき、一緒にいただろ?」
「覚えてないわよ、そんな前の事。っていうか、隠ってみんな顔隠れてて見分けがつかないし」
「お前、それ本人の前で堂々とよく言えるな」
汐と炭治郎の会話を聞いて、後藤は思い切り顔をしかめながら突っ込んだ。
「で、その隠の後藤さんは何でここに居るの?」
汐が尋ねると、炭治郎は後藤から刀鍛冶の里の詳細を聞いていたと言った。
あれから刀鍛冶の里の者たちは、鬼の襲撃を逃れるため拠点をすぐに移していた。
後藤の話では、彼等は"空里"という場所をいくつか作っており、有事の際にすぐに移れるようにしているとのことだった。
「っていうかあんた、朝っぱらからよくそんなに食べられるわね」
「朝ご飯をしっかり食べないと、一日が始まらないからな。それに、甘露寺さんもいっぱい食べるって言ってから大丈夫だろう!」
「あれは普通の人間の物差しにあてはめちゃ駄目よ。みっちゃんはともかく、無一郎も三日でほぼ全快って、いよいよ人間卒業し始めてるんじゃない?」
「流石に言いすぎだぞ汐。そこは尊敬しなくちゃ」
呆れたように溜息をつく汐を見て、後藤は目を見開きながら言った。