第132章 光明<参>
「炭治郎、汐、大丈夫?」
里の者に背負われた汐と、禰豆子に背負われた炭治郎は、小鉄に肩を預けていた無一郎に声を掛けられていた。
「あ・・・、と・・・時透くん。よかった、無事で」
「あ、あたしも平気。何とか生きているわ」
汐と炭治郎は、疲労のせいか力ない声でそう言った。
「刀・・・、ありがとう」
炭治郎が言うと、無一郎は毒の後遺症で身体を震わせながら言った。
「こっちこそありがとう。君達のお陰で大切なものを取り戻した」
「え、そんな。何もしてないよ、俺は」
「そ、そうよ。炭治郎が何もしてないなら、あたしはもっと何もしてないわよ」
炭治郎と汐がそう言うと、無一郎は一瞬困ったように笑うが、視線を禰豆子に向けると首を傾げた。
「それにしても、禰豆子はどうなってるの?」
そんな無一郎の行動を真似てか、禰豆子も同じように首を傾げた。
「いや、それが・・・」
炭治郎が詳細を説明しようと口を開いた、その時だった。