第132章 光明<参>
昼間のうち行動が制限されるのは屈辱的であり怒りが募った。
日の光でも死なない身体になりたい。
無惨は医者の作った薬の調合を見たが、試作の段階だったからか、“青い彼岸花”という薬の作り方はわからなかった。
それは実際に青色をした彼岸花を使用していたらしいが、生息地も栽培方法もわからない。
知っているのは殺した医者だけだった。
無惨はその医者の足取りをたどり、かつてこの医者にかかって死んだ貴族の娘の事を調べたが、娘の一族は彼女の葬儀中に起った事故で屋敷ごと滅びてしまっていた。
手掛かりをなくした無惨は完全な不死身の身体になるために、青い彼岸花と太陽を克服できる者を探すことを最優先としていた。
そして、竈門禰豆子が太陽を克服した今。無惨の狙いはただ一つとなった。
禰豆子を喰らい、太陽を克服して完全な生物になる事。
事態が大きく動き出すことは、確実であった。