第132章 光明<参>
一方、森の奥では濁った悲鳴が辺りに響き渡っていた。
「ぎゃあああああ~~~~っ、もう無理!!」
半天狗の分身憎珀天と戦っていた蜜璃は、一向に衰えない攻撃に窮地に陥っていた。
頭からは血が流れ、体中傷だらけで動いていることが不思議なほどだった。
「ごめんなさい、殺されちゃう~~っ。しおちゃああん!!」
蜜璃は泣きながら刀を必死で振り回していたが、突然自分に迫っていた木の竜が粉々になった。
驚いて目を凝らせば、憎珀天の身体も同様に塵となり消えていった。
「ひゃあ、助かった・・・!!」
蜜璃は間の抜けた声を上げながら、刀を握りしめて座り込んだ。
「しおちゃん達が本体の頸を斬ったんだわ・・・!!流石私の継子と仲間たちだわ・・・!!」
蜜璃はもたらされた勝利に顔をほころばせ、朝日の差す空を見上げた。