第132章 光明<参>
「禰豆子ちゃん、死んでたら申し訳が立たなかったぜ」
皆涙を流しながら、汐達に感謝の言葉をかけていた。
「いや・・・ほんとに、よかった。ち、塵になって消えたりしなくて・・・」
炭治郎は身体を大きく震わせると、禰豆子をそのまま抱きしめた。
「うわあああ、よかったあ・・・!!よかったああ、禰豆子、無事でよかったああ!!」
炭治郎はそのまま大声をあげて泣きわめき、そんな兄を禰豆子は優しく抱きしめた。
そんな混沌とした光景を、崖から降りてきた玄弥は呆然と見ていたが、笑いあう兄妹を見て優しくほほ笑んだ。
「良かったな・・・、炭治郎、禰豆子・・・」
玄弥の口から、温かな声が零れた。
一方。それを見ていた汐も、二人の顔が見えなくなるほど涙を溢れさせながら声を上げた。
「本当よ。禰豆子、よがっだ・・・。本当にぃ・・・よがっ、うぼろろろろろ」
だが汐は、言葉の途中でえずきそのまま決壊してしまった。
「うわあっ!!汐大丈夫か!?」
炭治郎は禰豆子から離れると、蹲くまってしまった汐に駆け寄った。
「しっかりしろっ、ううっ」
しかし炭治郎も、今までの戦いの傷のせいか、口を押えて汐同様に蹲ってしまった。
途端に里の者たちは慌てだし、禰豆子もびっくりしたのか目玉が零れ落ちそうなほど目を見開いた。
たちまち辺りは、混沌とした空気に包まれた。