第131章 光明<弐>
「お前はああ、儂がああああ、可哀想だとは思わんのかァァァア!!」
突然、半天狗の身体が膨れ上がるように大きくなり、炭治郎の顔を乱暴に掴んだ。
口を塞がれ、呼吸がし辛くなった炭治郎の腕から、力が抜けていく。
「弱い者いじめをォ、するなあああ!!」
半天狗はそのまま炭治郎の顔を握り潰そうと力を込めた。骨がきしみ、炭治郎の鼻からは血が流れだす。
だが、それを阻止しようと、鬼の力を宿した玄弥が半天狗の手を掴んだ。
「テメェの理屈は全部クソなんだよ。ボケ野郎がァアア!!」
玄弥は怒りの咆哮を上げながら、更に腕に力を込めた。すると、半天狗は口を開き、超音波を放とうと力を貯め始めた。
すると、突然赤い雫が上空から降り注ぎ、半天狗が身体を逸らした時だった。
禰豆子が遠隔で血を発火させ、半天狗を飲み込んだ。
そしてその一瞬の隙を突いて、後方から汐が飛び掛かり半天狗の脳天に刀を突き刺した。
「それ以上ほざくな、下衆がァァア!!」
汐が半天狗の頸をへし折り、玄弥は炭治郎を掴んでいた手を引き千切った。
だが、禰豆子の火は、鬼を喰っている玄弥も燃やしてしまうため、彼の身体にも燃え移った。