第130章 光明<壱>
(お父さん、お母さん。私を丈夫に生んでくれて、ありがとう)
蜜璃は心の中にたくさんの人達を思い浮かべた。
ある任務での最中に救った人々は、涙を流して蜜璃に礼を言った。
同じ柱である伊黒は、蜜璃の為に縦じまの長い靴下をくれた。
継子を迎えることもできた。たくさんの仲間もできた。
(女の子なのに、こんな強くっていいのかなって。また、人間じゃないみたいに言われるんじゃないのかなって、怖くって。力を抑えていたけど、もうやめるね)
蜜璃の脳裏に、汐と炭治郎の言葉が蘇る。
(他人が何を言おうが、関係ないわ。胸張ってふんぞり返ってればいいのよ!)
(この人が、希望の光だ!!)
「任せといて。みんな、私が守るからね」
蜜璃は胸に確かな決意を抱くと、地面を蹴って走り出した。
それと同時に太鼓が鳴り響き、巨大な竜が姿を現した。
「こっちは私が何とかするから、しおちゃん達は本体を!!」
「わかったわ!行くわよ、あんた達!!」
汐の言葉に炭治郎達は頷き走り出した。
「炭治郎、本体の入っている玉は何処だ!?わかるか!?」
「わかる、こっちだ!!」
炭治郎がある方向を指さすと、汐達はその方角へ足を進めた。