第130章 光明<壱>
そう言って立ち上がる蜜璃の"目"を見て、汐は息をのんだ。今までにない程の決意と気迫、そして柱としての責務を読み取れた。
「うん、それでこそみっちゃん。あたしの師範の甘露寺蜜璃よ!」
汐の嬉しそうな言葉に、蜜璃の口元に笑みが浮かんだ。
「だったらもう遠慮はいらないわね。あの馬鹿、ぶちのめすわよ!!」
汐もそう言って蜜璃の隣に立とうとしたとき、蜜璃は首を横に振った。
「ここは私に任せて、しおちゃんは炭治郎君たちと本体を捜して」
「え?」
汐が思わず見つめ返すと、蜜璃は顔を鬼に向けて言った。
「炭治郎君にはあなたが必要よ。私の言いたいこと、わかるわね?」
蜜璃の真剣そのものの表情に、汐は全てを察すると頷いた。
それを見た蜜璃は嬉しそうに笑うと、表情を引き締めて前を見据えた。