第130章 光明<壱>
轟音と土煙が上がり、焦げ臭い匂いが辺りに充満する。
(やったか?)
鬼は表情を険しくさせながら、その場所を凝視していた、その時だった。
「みんな、ありがとお~~!!」
土煙の中から、間の抜けた声が辺りに響く。
「柱なのにヘマしちゃって、ごめんねぇぇ」
土煙が収まったその場には地面に突っ伏す汐達と、涙を流しながら刀を振り回す蜜璃の姿があった。
あれ程の数の雷の雨を、蜜璃は全て斬り捨てたのだ。
「仲間は絶対に死なせないから!!鬼殺隊は私の大切な居場所なんだから、上弦だろうが何だろうが関係ないわよ!!」
蜜璃は涙と泥で汚れた顔を乱暴に拭くと、叫ぶように言い放った。
「私悪い奴には絶対負けない!!覚悟しなさいよ、本気出すから!!」