第130章 光明<壱>
「み、みんな・・・」
蜜璃が口を開きかけたその時、炭治郎の焦った声が響いた。
「立て立て立て!!次の攻撃くるぞ!!」
「わかってるっつーの!!」
玄弥は怒鳴り返しながら禰豆子と共に、蜜璃を抱えて立ち上がった。
「甘露寺さんを守るんだ!!一番可能性のあるこの人が、希望の光だ!!」
炭治郎の凛とした声が、蜜璃の身体に染み渡るようにして響く。
「んなもん当り前よ!!あたしの師範は、仲間は、絶対に死なせるもんか!!」
汐の決意に満ちた表情と声に、蜜璃の胸は締め付けられた。
「みんなで勝とう!!俺たちは・・・!!」
炭治郎が言葉を紡ぎ終わる前に、体勢を立て直した鬼の太鼓が響いた。
汐は爆砕歌を放とうと息を吸った、その時だった。
「伏せて」
蜜璃の静かな声が響くのと、雷が落ちるのはほぼ同時だった。