第130章 光明<壱>
それは、鬼の拳が蜜璃に到達する数秒前の事。
炭治郎の手当てをしていた汐が突如飛び出し、鬼に飛び掛かった。
汐の刀が橙色に煌めき、その斬撃は鬼の身体を大きく抉るとはるか遠くに吹き飛ばした。
蜜璃に意識が向いていた鬼は、汐を完全に失念していたため反応が遅れたためその力に成す術はなかった。
「しおちゃん・・・!!」
汐の姿を見て涙を流す蜜璃だが、間髪入れずに轟音が響き渡った。あちこちから竜の頭が汐達の方に向かってきたのだ。
「ぐあああああ!!!」
するとその轟音をかき消すかのような声が響き二人の身体は地面に引き倒されていた。
蜜璃が目を見開くと、そこには炭治郎、禰豆子、玄弥の三人が二人を庇うようにして倒れていた。