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【鬼滅の刃】ウタカタノ花

第16章 鬼と人と<壱>


「そ、そ、その隊服・・・、あ、あ、あんたは・・・いや、あなた様は・・・もしや・・・、鬼狩り様でございますか!?」
「え!?」
男の突然の変わりように、流石の汐も驚きのけぞった。だが、それよりも早く男は汐の羽織を強くつかむと、大声で叫んだ。

「お願いします鬼狩り様!!孫を、孫娘をどうかお救いください!!私の孫娘が鬼に・・・!!!!」

そこまで言うと、突然男の体がぐらりと傾きずるずると地面に倒れこんでしまった。

「おじいさん!?ちょっと、しっかりして!!」

汐は声をかけながら男を必死で揺さぶるが、彼は何の反応も示さないまま倒れこんだままだ。
汐はすぐさま男を背負うと、そのまま彼の自宅まで走っていった。

男の自宅は、一見するととても人間が住めるようなものではない掘立小屋のようなものだった。
中に入ると、部屋の中心には敷きっぱなしで黴の臭いがする布団があり、その周りには人形を作るための道具らしきものがあちこちに散らばっている。

汐は男を布団に寝かせると、水瓶に残っていた水をすくう。すると男は小さく瞼を震わせその目を開いた。

「大丈夫?あんまり無理しちゃだめよ」
汐はそういってすくった水を男に渡した。男はそれを受け取ると、一気に飲み干した。
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